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 ボスニア戦争(1992〜95年)は昨年で停戦20周年でした。ボスニア全体で300万人が難民となり、十数万人の生命が失われました。中でも人口約50万人の首都サラエボは激戦地のひとつで、1万1千人あまりが死亡、そのうち1600人が子どもでした。

 

 ヤスミンコ・ハリロビッチくん(27歳)は戦争がはじまった当時4歳。戦時下のサラエボで子どもたちがどんなふうに暮らしていたかを記録しようと、同世代の人びとにネットを通じてたずねました。

 

「あなたにとって、戦時下の子ども時代とは何でしたか?」

 

 回答はショートメールの制限字数160字以内で、1000人以上の人びと(1977〜92年生まれ)から寄せられました。写真や当時の日記などもあわせて出版されたのが「Djetinjstvo u Ratu 戦時下の子ども時代」でした。(邦訳は「ぼくたちは戦場で育った」角田光代訳・千田善監修・集英社インターナショナル刊)

 

 今年の夏にも開館を予定している「子どもの戦争博物館」は、本におさめられた文や写真に加えて、当時の「思い出の品」などを展示する、常設のミュージアムになります。
 博物館の建物はサラエボ中心部にほぼ決まり、すでに、当時はいていたバレエ用のトウシューズ、卒業式が中止になり着ることができなかったドレス用の生地、避難シェルターで抱いていたぬいぐるみ、などが集まっています。

 

 戦争を記憶・記録することは、二度と戦争をくり返さないという意志のあらわれでもあります。地元の子どもたちやサラエボを訪れる旅行者に、当時の状況を知ってもらうのが目的です。

 

 将来的には、「アンネ・フランクの家」(オランダ)など子どもと戦争に関係した博物館・記念館とも協力していく計画です。

(国際ジャーナリスト・千田善)

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