~KRILO LETI U SVIJETU~
世界に羽ばたく翼たち
2015年5月9日(土)
今夜、「KRILOダービー2015」がボスニア地方の古都トラブニクで開催されます。
ボスニア・ヘルツェゴビナ最高峰のリーグであるプレミエル・リーガ第26節は、ボスニア・ヘルツェゴビナ各地で行われます。リーグ終盤となり、各チームが優勝争い、降格争いと非常に激しい戦いが行われることが予想されます。
さて、そんな注目のリーグ戦で最高の一戦がこの「KRILOダービー2015」です。KRILO第1世代、いわゆるクラブ創設メンバーの1人であるアーディス・ハセチッチと、KRILO第3世代のアネル・サルコビッチがボスニア・ヘルツェゴビナ最高峰の舞台で直接対決するのです。
アーディス、アネルともに、チームのゴールゲッターとして活躍しており、2人とも先発フル出場することが予想されます。
実に、この試合はKRILOをずっと応援してきてくださった日本の方々、そして、共にプレーしたKRILOの子どもたちにとっては最高の1戦であることは間違いありません。
試合結果が大切なのではありません。
この1戦でアーディス、アネルが共に全力でプレーし、両チームのサポーター、選手を憧れる子どもたちを喜ばせてほしいと思っています。
ボスニア・ヘルツェゴビナ国内に厳然として残るエンティティの境界線を越えてサッカーを共にしてきた絆の強さが、トラブニクのピロタ・スタジアムで人々に喜びを与えることでしょう!!
【試合後】
KRILOダービー2015はトラブニクのピロタ・スタジアムで行われました。
「KRILOの星」である、アーディス(NKトラブニク)、アネル・サルコビッチ(FKスラビヤ)は共に先発フル出場を果たしました。
試合後、2人は言葉を交わし、その時の様子を先ほどアーディスが伝えてくれましたのでご報告します。
◇試合後の2人の会話について◇
アーディスのコメント
「特に、特別な会話ではないけど、ぼくもアネルも試合後は一緒に話したいと思っていたからさ。ホイッスルが鳴った後、ちょっとだけ会話できたからその内容を伝えるね。」
アーディス
「お疲れさん!スラビヤでの選手生活はどうだ?」
アネル
「悪くないね。ただ、まだまだ課題があるからもっとよくしていかないとと思っているよ。」
アーディス
「実は、これが今シーズン、ボスニアでの最後の試合なんだ。カナダリーグが開幕するから、5月15日にはカナダに戻らないといけないからさ。」
アネル
「そうなんだ。君がたくさんゴールすることを願っているよ。幸運を願っているぜ、兄弟!」
アーディス
「ありがとう、アネル!」
KRILOで共にサッカーをして、ボスニア連邦(FED)とセルビア人共和国(RS)の両地域でサッカーをし、両地域のコーチと友人との時間を過ごしてきたアーディスとアネル。その2人が、プロ選手として活躍し、そして、ボスニア・ヘルツェゴビナ国内最高峰の舞台であるプレミエル・リーガで同じフィールドでサッカーをしています。
本当に嬉しいことであり、ボスニア・ヘルツェゴビナが戦後20年を経て、少しずつ少しずつ、KRILOが当たり前の世の中になってきたことを証明しています
しかし、その当たり前となりつつある「民族の壁」を越えたサッカー選手の最前線にアーディスとアネルが少年時代から立っていたことを私は決して忘れません。多くの見えない「壁」がある時代から、笑顔でサッカーをしていた、彼らの姿とその思い出を。
アーディスは今週末に所属しているカナダリーグの強豪ウォータールーに戻り、またカナダでの選手生活に戻っていきます。
ボシュニャック人のアネルは、自ら境界線を乗り越えて、セルビア人共和国側のクラブであるFKスラビヤでの選手生活を送り始めて2シーズン目。熱狂的なセルビア人サポーターを喜ばせるエースとして、残りの4試合でゴールを量産して残留を決め、ルカビッツァ(東サラエヴォ市)の人々に歓喜の瞬間を与えてほしいと思っています。
♪HAJMO KRILO KRILO KRILO, HAJMO ADISE i ANELE♪
♪行こう!クリロ、クリロ、クリロ、さぁ、行こう!アーディスよ!アネルよ!♪



