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忘れたいこと、でも、忘れてはならないこと。

  • sfp2000
  • 2015年5月13日
  • 読了時間: 3分

 ボスニア・ヘルツェゴビナで20年前に起きていたことが、まだ世界中で繰り返されています。  だからこそ、もう一度真剣に受け止め、二度と繰り返さない強い意志を繋げていかなければなりません。

 ボスニア・ヘルツェゴビナで起きたこと、それは15年前までは私たちに日本人にとって強い関心があり、人々の心のどこかに突き刺さるものでした。それは、日本に限らず、世界中の人々に対してもそうでした。

 しかし、その後、コソボ、アフガニスタン、イラク、ジョージア(旧グルジア)、シリア、ウクライナへと、ボスニア・ヘルツェゴビナで起きたことと同じようなことが繰り返されています。

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(C)AFP ELVIS BARUKCIC

「人間は一本の葦、すなわち自然の中で最も弱いものでしかない。しかし、それは考える葦である。」

 高校の倫理、いや、中学校の公民で学んだような記憶がどなたにもある、有名なパスカルの『パンセ』での一節です。

 ところが、この『パンセ』には続きがあり、ちょっと読み進めると、パスカルが今の私たちにも訴えかけてくる大切な精神が宿っています。

「人間を押し潰すためには宇宙全体が武装する必要はない。人間を殺すためには一滴の水蒸気、一滴の水の雫だけで十分である。

 しかし、たとえ宇宙が人間を押し潰したとしても、人間は人間を殺すものよりも遥かに高貴なことだろう。なぜなら人間は人間が死ぬということを知っており、宇宙が人間に対して持っている優位性、それについては宇宙は何も知らないからだ。

 それゆえ私達の尊厳は、ひとえに思考することに存する。

 そこにこそ私達は立脚すべきなのであって、私達が満たすことはできない空間や時間に立脚すべきではないのだ。

 それゆえ、よく考えるように努力しよう。これが倫理の原則である。」

 さて、私たちは「よく考える努力」をしているのでしょうか?おそらく、世界中の人々は様々な場面で「よく考える努力」をしているはずです。

 しかし、大切なのは「何について」「何のために」「何を求めて」、「よく考える努力」をしているのかだと思います。

 世界中のどんな政治家も「戦争を避けるために」と考えているはずです。しかし、本人がそう思っていても、「よく考える努力」のベクトルが実は気づかないうちに、「戦争を避ける」方向ではなく、「戦争へと導く」方向へと傾いていっていることに気づけなくなっているのではないかと思います。

 また、過去の悲劇を「美化」したり、「正当化」したり、「隠蔽」したり、「歪曲」したりすることに、「よく考える努力」を費やすことも、憎しみの連鎖や同じ過ちの繰り返しを招くのではないかと思います。

 私たちは、今こそ、「よく考える努力」の目的や方向性、そして、その先のゴールをしっかりと見出す必要があるように感じます。

 この問題を深く知る入り口として、お勧めの映画を紹介します!!

 ボスニア・ヘルツェゴビナの映画『サラエボの花(原題:グルバヴィッツァ)』

 日本でDVDの購入も可能です。

 是非、ご覧下さい!!

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映画『サラエボの花』より


 
 
 

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